Chroma Key Using a Checker Pattern Background

In this paper, we proposed a new region extraction method using chroma key with a two-tone checker pattern background. This method solves the problem in conventional chroma key techniques that foreground objects become transparent if they have the same color with the background. The method utilizes the adjacency condition between two-tone regions of the background and the geometrical information of the background grid lines. Experimental results show that the foreground objects can be segmented exactly from the background regardless of the colors of the foreground objects. Keyword Checker Pattern Background,Chroma Key,Region Extraction,Image Composition 1. はじめに 画像合成技術 [1]は,人物と別の場所で撮影された風 景の合成用途に用いられることが多く,雑誌の表紙・ プロモーションビデオ・映画等の作成やテレビ放送等 様々な分野で利用されている.また近年では,合成す る画像間の位置関係や視点を考慮した画像合成を用い た放送システム [2,3]も提案されており,非常に重要な 技術となっている. 画像合成を行うためには,画像から特定の領域を切 り出す必要があり,これまでも数多くの領域抽出手法 が提案されている [4,5]. 特殊な撮影状況や撮影機材を必要としない領域抽 出法としては,エッジ抽出や領域分割等を利用した方 法等が提案されている(例えば [6]).しかし,高精度・ 高速・自動的に領域抽出を行うことができる汎用的手 法は提案されておらず,例えば放送用の高品質な映像 を作る用途には適さない.高精度に領域抽出を行う手 法も提案されているが [7,8],人間がある程度オペレー ションを行う必要がある. 一方,画像撮影と同時に対象までの距離を計測可能 なカメラを使用して画像合成を行う手法も提案されて いる [9].このカメラを用いることにより距離情報から 目的の対象のみを抽出することが可能であり,実際の テレビ番組制作等に使用されている.しかし,特殊な 装置であるため誰もが気軽に利用できるわけではない. 簡単に領域抽出を行う手法としてよく知られてい るものに,撮影時の背景に制限を加えることにより領 域抽出・画像合成を行うクロマキーと呼ばれる手法が ある.クロマキーは,青色や緑色等の単色で一様な背 景の前に対象物を配置して画像を取得し,背景と同じ 色成分の画素を除去することにより対象物のみを切り 出す方法である.この方法は,原理が単純であること と,単一色の背景を準備するのみで良いことから,現 在最も広く用いられている. クロマキーをはじめとする画像合成では,画素 (u,v) における合成画像の画素値 I(u,v)は (1)式で表される. ) , ( )) , ( 1 ( ) , ( ) , ( ) , ( v u B v u v u F v u v u I α α − + = (1) ただし,F(u,v)は前景画像の画素値,B(u,v)は背景画像 の画素値,α(u,v)はα値と呼ばれ 0 から 1 の値を取る [1]. クロマキー合成においては,α値を高精度に決定する ことが重要であり,例えば髪の毛の部分や透明なガラ ス等においても非常に正確にα値推定を行う手法が提 案されている [10-14]. 2. 市松模様の背景を用いたクロマキー しかし通常のクロマキーでは,抽出したい対象物に 背景と同じ色が含まれている場合は,その部分が正確 に領域抽出ができないという問題点がある(図 1).そ こで,背景の色を切り替えて撮影することにより,任 意の色の対象物を抽出する方法も提案されている [15]. しかしこの方法では,対象物が静止した状態で背景を 切り替える必要があるため,移動物体の抽出には適さ ない. 本論文では,市松模様の背景の前に領域抽出を行う 対象物を配置し,撮影する.また,画面の左右端部, 上端部では市松模様が隠れずに見えるように撮影する こととする.処理手順は以下の通りである. 1. 背景抽出(図 4(a)(b)(c)) 2. 領域抽出(図 4(d)(e)) 3. 画像合成(図 4(f))